〔高校英語〕英語の比較表現とは
英語の比較表現である
no more than~ / no less than~
高校生たちを混乱させるものとして挙げられることの多いものですので今回はこの話をします。
英語の比較表現を理解しよう
まずは
She have no more than 10thousand yen. あるいは
She has not more than 10thousand yen. という文で考察します。
まず、この表現をした人はどちらも
1万円より「多くない」→「少ないなぁ」 という気持ちがその前提にあります。
noとnotの違いは完全否定と単なる否定といったところで、使われ方としては
no more than~は「1万円だけ(しか)」となる一方、
not more thanでは単なる否定、
つまりさらに少ないこともあり得るわけですから「せいぜい(多くとも)1万円」となります。
これと同じ流れで no less than~ あるいは not less than は
「少なくない」→「多いなぁ」という気持ちがその前提にあり、
前者が「~も(そんなにたくさん持ってるんだ)」となり
後者が「少なくとも~(さらに多いこともありうるな)」という意味になります。
ここで一つポイントとなることですが、
no more than~/not more than~と
no less than~/not less than~は、
ここでの基準となる金額である1万円を発話者が「少ないなぁ」と否定的に見ているのか 「多いなぁ」と肯定的に見ているのかの違いです。
さて次には大物のいわゆるクジラ構文。
A whale is no more a fish than a horse is(a fish). ですね。
今見てもやはりこの表現は複雑だなと感じますし、ネイティブでも正しく使いこなす人はひょっとしたら多くないかもしれませんね。
さて、「クジラが魚である」ことと「馬が魚である」ことをthanを使って比べていますが、その差がno more、つまり勝った差がゼロ(noはmoreを否定)であると述べています。
つまり、「クジラが魚である」ことと「馬が魚である」ことは同じだということであり、クジラが魚でないことを比較対象として皆が明らかに納得する馬を引き合いに出し「クジラは魚でない」ことを強調しています。
(意訳として「クジラが魚でないのは馬が魚でないのと同じ」となります)
ちなみに A whale is no less than a mammal than a horse is. ですと
「クジラが哺乳類なのは、馬が哺乳類であるのと同じ」という意味です。
ここでもう少し分析しないとその本質がわからないと思われます(例えばなぜこの文はno less than~を使っていないのかなどです)ので、別の例文を出して次回後編として書いてみます。