中学の数学は<数量><関数><図形>の3つの分野で成り立っており、すべての単元で文字が出てきます。小学校での算数と違うところとしては、文字を使って問題解決につなげるという面があります(それを代数と言います)。
具体的な数字ではなく文字を使うことは、抽象的な思考が要求されるために特に中1生徒は文字式・方程式あたりで戸惑うこともあるものです。
数学を得意にするために
一つにはまず慣れることでしょう。
計算の仕方を真似て覚えたり、定理・公式を使ったりすることが基礎としてありますが、これらだけでも学校の定期試験であれば7割、都立の共通入試問題でも5割の点数は取れると思われます。
数学が苦手な生徒は、この部分を徹底的に繰り返し演習し身に付けることが大事です。
しかし高得点を取るためにはやはり「筋道を立てて考える」ことが要になり、このことに対する姿勢・意識があるかないかでいわゆる知識だけではない数学的思考力が身に付くかどうかの境になるのです。
昔、ある生徒がこういったのを覚えています。
『こんな問題、答えを見ればわかるけれども自分で答えが見つかるわけがない!』と。
その女生徒は学校の通知表では4、時には5をも取ったことのある比較的数学のできる生徒ではありましたが、その時点では数学の問題に対する向き合い方が十分わかっていなかったわけです。
というのは、我々は数学という教科の本質は論理つまり筋道を立てた考え方であり、習って来た計算や定理・公式とその論理を武器に解き方を探すことであると考えているからです。
都立共通問題ではその2割は言うなれば一筋縄ではいかない問題であり、多くは<数量><関数><図形>の知識・運用が必要な融合問題になっています。
それらの問題に対する向き合い方は、様々な角度から実験を繰り返しながら解決への糸口を探していく「試行錯誤」であるのです(図形的処理や方程式などに分解していきます)。
そして、この手の難度の高めである問題というものはその解き方が何通りもあるものであり、それこそ自分の考えで正しい論理で進めていけば遠回りになったとしても答えにたどり着くものなのです(とある生徒は基本的な定理・公式の不十分であったものの、その不十分さを本人の得意な論理力で補い見事に難問を解いたこともありました)。
先ほどの生徒はこの「試行錯誤いろんな角度から論理的に考えれば必ず答えにつながる」ことがわかっていなかったわけであり、もっと言えば難しめの問題に対する粘り強さが足りなかったとも言えます。
そしてこの姿勢を身に付けると案外数学が楽しくなったりもするようです。
今回は数学がさらにできるようになるための、難度の高めである問題への取り組み方・考え方の話でした。
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