英語の助動詞について
中1に入ってすぐ助動詞の一つであるcanを学びます。
助動詞の文は否定文や疑問文の作り方がbe動詞や一般動詞の文とは異なります(この点はよりシンプルでしょう)。
中2になりwill・must・may・shouldなどが出てきます。
助動詞の難しさはまず主たる意味がいくつかあることがあります。
willは「~するつもり(意志)」「~だろう(推量)」であり、mustやmayにもそれぞれ「~しなければならない(義務)」「~してもよい(許可)」に加えて「~にちがいない」「~かもしれない」というように推量の意味もあります。
(推量の意味ではその確からしさの強さが must>will>may となります)
ここでは文脈の意味から適当な解釈をしていかねばならない言語全体に通じる課題があるといえるかもしれません。
Will you go to the party?
と表現された場合、「行くつもりですか」の場合もあるでしょうし「行ってくれませんか?」という場合もあり、それは状況次第であることになります。
助動詞もそうですが、一般的に基本的な動詞あるいは前置詞は概念の範囲が広いものが多くその時々で文脈に合った意味を汲み取る必要があります。
例えばrightは動詞あるいは前置詞ではありませんが、「右」「正しい」「権利」などの意味の広がりがあります(話し言葉ではMr.Right.は理想の男性という意味でも使われます)。
また、助動詞にはさらに厄介なことあります。
それは過去形だからと言っても必ずしも過去を表さずに現在を表すことが多々あるということです。
例えば、willの過去形にwouldがありますが、
Would you help me water the crops?
「作物に水をやるのを手伝ってくれませんか」
重要なことは文脈にもよりますが、過去形ではあっても現在の意味で使われることが多いのです(仮定法のよるものです)。
willとの違いは丁寧な言い方になっていることです。
(助動詞の過去形が現在の意味で使われるときは「丁寧」さを表す以外にもあり、このことは後編で書きます)
ちなみに「willは未来を表す助動詞」と言われることが多いですが、
Will Meg is at home now?
「メグは今家にいるだろうか」
のように現在の推量にも使われますので、正確に言うと間違いと言えるかもしれません。
言語は高度な感覚の世界のものに由来するものなので、杓子定規な見方は通用しないことが多いわけです。
(中編はこちら)